前回お話しした通り、事業再生は以下のような流れで進みます。
①状況分析 → ②緊急時対応 → ③事業再建 → ④平時への回帰
そのうち、今回は「①状況分析」についてお話しします。
1.経営不振に陥った原因の発見と危険の度合いの見極め
経営不振の原因は、一般的に、
<a>本業不振
<b>不採算事業
<c>過剰債務
の3パターンに分類できます。
一方、危険の度合いは、その企業が破たんするまでの時間的な余裕を月次試算表や資金繰表などから判断します。
万一、深刻な資金不足に陥っている場合は、
・危険の回避(手形のジャンプや支払延期のお願いなど)
・財務内容の改善(未活用資産の売却など)
などに、真っ先に着手することになります。
2.再生可能性の診断
その企業または事業が再生可能であるかどうかを、客観的に診断します。
診断する項目として、
<a>外部の環境と業界の特質(競争力市場の成長性など)
<b>収益構造(損益分岐点、粗利益率など)
<c>企業価値の評価(会社を清算した場合と継続した場合の比較)
<d>外部関係者との関係(主に銀行、連帯保証人など)
などがあります。
上記の外部環境や収益構造から再生可能性があると判断した場合は、さらに、企業価値の評価や外部関係者との関係から総合的に判断し、再生手法を選択することになります。(再生手法については後日お話しします)
次回は、「②緊急時の対応」についてお話しします。
税務コンサルティング部 竹田