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2011年11月9日
事業再生(3)「事業再生の流れ ~緊急時対応~」

これまでお話しした通り、事業再生は以下のような流れで進みます。


①状況分析 → ②緊急時対応 → ③事業再建 → ④平時への回帰


前回は「①状況分析」についてお話しさせていただきましたので、今回は「②緊急時対応」についてお話しします。


緊急時対応では、大きく分けて以下の3つのステップに分類できます。



1.資金管理体制の導入


企業が深刻な危機にある場合、まず最優先されるのは「短期的な生き残りのための資金の確保」です。
資金がなければ、再生のための時間が確保できないからです。


具体的には、
・短期の資金必要額の見積り
・資金創出のための行動計画の立案(資金を確保するための行動計画)
・資金管理体制の緊急導入
などを行います。


資金管理体制の導入は経営者にとって難しい決定や重大な変化を伴うため、経営者から不満が出ることが普通ですが、生き残りのためには避けて通ることはできません。



2.利益の拡大/製品(サービス)別損益分析


自社の製品(サービス)の利益を以下の3つのレベルに分けて考えます。


レベルA:製品別限界利益=売上高-変動費(材料費や外注費)
レベルB:製品別貢献利益=限界利益-製品別直接経費
レベルC:製品別利益=貢献利益-共通費


まず、レベルA(製品別限界利益)で赤字の場合は、直ちに撤退です。


レベルB(製品別貢献利益)やレベルC(製品別利益)が赤字の場合は、撤退した時にその製品(サービス)が負担していた直接経費や共通費を他の製品(サービス)で負担しなければならなくなるため、個別の製品(サービス)ごとの利益のみならず、全社の利益への影響を考慮したうえで判断する必要があります。


このような製品別損益分析の結果、利益への貢献度の高い製品(サービス)と赤字の製品(サービス)が明らかになり、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の選択と集中を行う上での方針を明確にすることができます。



3.企業カルチャーの変更


(1)目的地(経営ビジョン)の明示


再生のためには、まず経営トップが会社の向うべき目的地を示し、これを組織全体に共有させて再生の原動力を生むことが求められます。
ここで重要なことは、経営トップ自身が自分の言葉で従業員に説明し、彼らの納得を得ることです。


(2)従業員のやる気を引き出す


当然のことながら、再生には経営トップと従業員の信頼関係がなければうまくいきません。このためには緊密なコミュニケーションは不可欠です。
また、改革の決意を社内に徹底させるためには経営トップの率先垂範が求められます。



次回は、「③事業再建」についてお話しします。



税務コンサルティング部 竹田